ウェルニッケ脳症とビタミンB1とマグネシウム
マグネシウムはB1の代謝にも重要であった!!
Step Beyond Resident 救急診療の基本編パート1 林寛之著より
低栄養の患者にたかがビタミンB1を100mg投与したくらいでウェルニッケ脳症の予防になるのか?いや、実はエビデンスはイマイチ・・・(1950年代の報告)。ウェルニッケ脳症そのものを見つけたら、最低500mg1日3回点滴x2-3日に続いて250mg/日x3-5日、または200mg静脈注射に続いて250mg/日x3-5日は投与しよう。ビタミンB1静注でのアナフィラキシーが稀にあるため、ビタミンB1 100mgを100mlの生理食塩水に溶解して30分かけての投与を推奨する緒家もいる。食道がん術後にビタミンB1投与を忘れ、後遺症が残ったとして1億2千万円訴えられたという訴訟事例もあるのでくれぐれもビタミンB1の投与をお忘れなく。
さらに低マグネシウム血症を伴っていると、ビタミンB1が活性体(チアミンピロリン酸)になれず、ビタミンB1を投与してもウェルニッケ脳症は改善しない。低栄養で低マグネシウム血症の合併を疑ったら、マグネシウムの補充も行わないと、ビタミンB1だけでは治らないよ!