ビタミンCによるがん転移の抑制メカニズムに新発見 還元型と酸化型で生理作用に違い

http://www.teu.ac.jp/press/2018.html?id=143 より

興味深い研究結果です。

【成果】
蛍光色素などで細胞内の活性酸素を定量すると、VCはDVCよりも活性酸素のレベルを低下させることがわかりました(図1)。また、がん細胞を用いてVCの過酸化水素による細胞死の抑制作用を検討したところ、DVCは細胞死を抑制しましたが、VCにはこの作用がありませんでした。さらに、VCは基質に接着していない転移能のあるがん細胞に対して選択毒性を発揮した一方、DVCはこのような作用はありませんでした(図2)。この毒性作用は、カタラーゼ(注3)によって抑制されたことから、過酸化水素の産生に起因していると考えられます。
これらにより、1)VCは、血液を循環する転移がん細胞に対して強い抑制作用があること 2)還元型(VC)はがん細胞に対して毒性のみを有する一方、酸化型(DVC)はこの作用はなく、細胞を保護する作用があることが明らかとなりました。