血管疾患としてのED・・・EDの約80%は陰茎の血管疾患が原因である
日本医師会雑誌 2024年12月号より
陰茎勃起には陰茎動脈の拡張や血流増加などの血管機能が重要であり、EDの約80%は陰茎の血管疾患が原因である。ヒトの動脈径は、陰茎動脈が1-2㎜、心臓の冠動脈が3-4㎜、内頚動脈が5-7㎜、大腿動脈が6-8㎜であり、全身に動脈硬化が生じた際、動脈径の細い組織から症状が出現するという”artery size hypothesis”が提唱されている。また、血管拡張には一酸化炭素(NO)産生など血管内皮機能も重要であるが、動脈硬化病変では血管内皮機能障害を認め、CVDとEDに共通する病態である。
30歳以上のED患者では、EDでない患者に比べ、CVDのオッズ比は30歳台では3.55,40歳台では7.76,50歳台では12.53、60歳台では14.00、70歳台では11.10、80歳台では4.33,90歳台以上では1.26であり、糖尿病、うつ病でも同様の傾向を認めた。