ヒドロキシクロロキンと全身性エリテマトーデス

クロロキンをマラリアに用いる、という知識はありますが、使ったことはありませんん。

新型コロナに効くとか効かないとか、話題になったクロロキンですが、全身性エリテマトーデスに有効なようです。(クロロキンとヒドロキシクロロキンは違うらしい)

安価で使い勝手がわかった薬の新しい用法は、歓迎されるべきでしょう。

 

以下 広島市内科医会報 2022年2月号より引用

その中で、様々な病態においてヒドロキシクロロキンがまず用いるべき第一選択薬として推奨されています。ヒドロキシクロロキンは抗マラリア薬として用いられてきましたが、免疫疾患に対する有効性が報告されたものの、本邦では類薬(クロロキン)による副作用(網膜症)のため、長く承認されずに経過しました。しかし、ヒドロキシクロロキンは欧米を中心に国際的にはSLEや関節リウマチといった免疫疾患に対し広く用いられ、その位置づけが確立されてきました。本邦では2015年になって皮膚エリテマトーデスおよび全身性エリテマトーデス治療薬として承認されました。この薬はステロイド薬の減量において再燃リスクを低減させ、大変安全性の高い薬ですが、低頻度ながら長期蓄積性に網膜障害が出現しうることが知られています。そのため、投与開始前および投与中の定期的な眼科診察が推奨されています。

ちなみに、William Oslerは「SLEは内科学の真髄」と言ったそうだ。