栄養療法で使わなくなった薬
内科系の外来診療は、薬物至上主義みたいになりやすいです。
患者の訴えがあり、薬の情報があると、「良かれ」と思ってどんどん薬が増えていってしまう。
(手元にハンマーひとつしかないと、なんでもハンマーでたたいて治そうとしてしまう。)
①スタチン(コレステロール低下薬)・・・糖質制限を勉強してから、基本的には使わなくなった。
虚血性心疾患のある方には(循環器医の指示があるので)、処方せざるを得ない。
中性脂肪値と善玉コレステロール値が重要(下記参照)。
②トリプタン製剤(片頭痛の特効薬)・・・糖質制限で頭痛が改善する人が多く、ほとんど処方することがなくなった。
③糖尿病の薬・・・使ってはいる。糖質制限で改善し、通院不要になった人もいる。
④認知症の薬・・・少量使うこともあるが、栄養療法が先にくるべきと実感している。
⑤活性型ビタミンD・・・世界的にはマイナードラッグらしい。(ビタミンDサプリ内服が普通らしい。) 脱水時に高カルシウム血症になるので高齢者には結構危険。副作用発現率が高い。25-OH-ビタミンDが低いからと活性型ビタミンDを処方するのは少しおかしいと思う。
⑥ビスフォスフォネート製剤(骨粗しょう症)・・・顎骨壊死という重大な副作用がある。罹患する人は少ないけれども、治らずに苦労している人がいる。長期間継続すると骨硬化して骨折が増えると言われている。ほとんどの女性はタンパク質やビタミンDなどが不足している。 ファーストチョイスにすべき薬ではないと思う。