ある冬の夕方。車を薄暗くなった交差点で止めた。

７－８年前にご主人を診させていただいた旧知の女性が目に入った。　もう少し年配の高齢女性と２人で立っている。

その高齢女性は大変切羽詰まった深刻な顔をしている。

辛そうな女性の両手を握って、何か熱のこもった様子で話しかけているのだ。

もちろん声は聞こえない。

それでも私は悟った。

女性が悩める知人の心を温めようとしていることを。