漢方製薬による腸管膜静脈硬化症
日本臨床内科医会会誌 令和5年12月号より
血便で発症 虚血性大腸炎を疑われた。大腸内視鏡検査で、回腸終末部から右半結腸にかけて結腸の肥厚と色素沈着がみられた。微小なびらんが散在。メラノーシス+虚血性腸炎とは所見が異なるため生検病理組織検査を行い、病理診断医の指摘により加味逍遙散の長期服用歴が判明し、腸間膜静脈硬化症と診断した。かかりつけ医に服薬中止を依頼し、以降は症状が消失した。
解説 腸間膜静脈硬化症はサンシン(山梔子)を含む漢方製剤の長期服用例に見られる。原因物質はサンシン中のゲニポシドと考えられており、大腸粘膜に暗青色~暗紫いろの色素沈着をきたす。重症化すると狭窄等により手術が必要となる場合がある。該当する漢方製剤の長期投与を避け、敵機的な便潜血検査等が望まれる。
サンシシ(山梔子)を含む、代表的な医療用漢方製剤は以下のとおりです。ツムラ製剤の番号も併記します。
ツムラ番号 漢方製剤名
15 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
24 加味逍遙散(かみしょうようさん)
50 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
56 五淋散(ごりんさん)
57 温清飲(うんせいいん)
58 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
62 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
76 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
80 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
90 清肺湯(せいはいとう)
104 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
135 茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
137 加味帰脾湯(かみきひとう)