慢性リンパ性白血病
日本内科学会雑誌 2026年7月号より
慢性リンパ性白血病は末梢血リンパ球数の増加とリンパ節腫脹、肝脾腫を特徴とする。腫瘍細胞はCD5陽性かつCD23陽性のB細胞(CD19、CD20陽栄)で、κ、λいずれの表面免疫グロブリン軽鎖を発現する。IWCLLガイドラインに定義される活動性・症候性病態となれば治療を考慮する。新規分子標的治療の発達により、一般住民と同等の生存予後が期待できるようになった。
はじめに
慢性リンパ性白血病(CLL)は、70歳前後の高齢男性に好発する成熟B細胞腫瘍である。末梢血における持続的な成熟リンパ球増加とリンパ節腫脹、肝脾腫を特徴とする。欧米人に多く、日本人を含めたアジア人では少ない。リンパ系腫瘍の罹患者を一親等にもつ場合は発症リスクが8.5倍に増加するので、何らかの遺伝的背景があると考えられている。多くは緩徐に進行する慢性の経過をとるが臨床経過は多彩で、およそ3割の患者は治療を必要としないまま障害を終える。1割の患者は組織学的急性転化(リヒター症候群)により急激な臨床経過をきたす。
珍しい疾患だが、治療の進歩が素晴らしい!