真正多血症について・・・在宅医療との連携
日本内科学会雑誌 2026年7月号より
地域側では、血栓を疑う症状(神経症症状、胸痛、下肢主徴、急な呼吸苦)を最優先で拾う必要がある。また、アスピリン等の併用時は消化管出血や皮下出血の観察、脱水・喫煙・血圧など生活因子の最適化が血栓予防に直結する。
治療としては、ヘマトクリット管理、瀉血、抗血小板療法、細胞減少療法をリスクに応じて組み合わせる必要がある。新規薬剤は併用注意の薬剤も多く、薬剤を追加する際は注意が必要である(地域側でも、薬剤師の目が入ることが望ましい)。
代表薬剤
低用量アスピリン投与に加えて、下記の治療
①瀉血
血液過粘調状態の改善のため実施する。目標ヘマトクリットを意識し(45%未満を維持することが目標)、専門病院外来で実施するのが一般的。鉄を枯渇して赤血球造血を抑制する治療なので、(特別な理由のない限り)鉄剤を補充することはないので注意。脱水にならないように飲水を促したり、適宜補液を実施する。ざいたくでの実施は手間と時間の面でもハードルが高い印象。循環動態に影響を与え要る場合もあり、地域側では細胞減少療法など他の選択肢を検討するのが妥当かもしれない(血栓症リスクが低リスクの場合は細胞減少療法を推奨ではない)。
②細胞減少療法
ヒドロキシカルバミド:高リスクPVに適応があり通常成人1日500mgー2000mgを1-3回に分けて内服(維持量は500-1000mg)。骨髄抑制による血球減少、長期的には下腿潰瘍など皮膚・粘膜障害。二次性がん(皮膚がん、特に日光暴露部)に注意。採血データによる血球・肝機能チェックなど専門病院との連携をとり、採血回数は最低限で管理していきたい。
・ルキソリチニブJAK阻害薬。ほとんどのPVはJAK2遺伝子変異陽性。高リスクPVの細胞減少療法として、ヒロドキシカルバミドが不耐用または抵抗性の場合に使用。通常1回10mgを開始用量として1日2回使用。在宅側で注意する点としては、血球減少と帯状疱疹など感染症(アシクロビルなど予防投与されていることも多い)など。
・ペグインターフェロンアルファー2B PVの細胞減少療法として、100µg皮下注で開始。2週間ごとに漸増。若年者や妊娠を希望される方など使用例は限られ、地域側でみることは少ないと思われる。
コメント:瀉血を続けることで、鉄不足となり、うつ病を発症された方がおられた。