高齢者真正多血症の特徴とマネジメント

日本内科学会雑誌 2026年7月号より引用

高齢のPV症例の多くは、高血圧や糖尿病などの心血管リスクを有すると考えられている。イタリアにおける80歳以上のPV症例(N=100)についての調査では、約70%の症例が高血圧を、32%の症例が脂質異常をまた13%の症例が糖尿病を合併していた。PVにおいても、60歳以上の症例では、抗血小板療法と細胞減少療法を併用することが推奨されている。PVに対する細胞減少療法の選択肢として、国内ではHU,JAK阻害薬であるruxolitinib, ropeg-interefon-alfa2bおよびbusurulfanの4剤が承認されている。Ruxolitinibについては、開始時年齢が75歳以上であっても瀉血非依存率、全身症候の改善率は若年者と相違は認めていない。また、帯状疱疹を含む感染症の併発についても高齢者と若年者の間での有意差は確認されなかった。一方、貧血や血小板低下などの有害事象は75歳以上の症例で認められることが多く、これを理由に用量調節が行われる頻度も高く認められた。

Ropeg interferon alfa2bについては、PV症例を対象とした国内フェーズ2試験および海外のフェーズ3試験において、60歳未満と60歳以上の症例を比較したところ、血液学的な寛解率や分子生物学的効果には相違を認めず、また有害事象の発症も差がないことが報告されている。ブスルファンは、変異原生への懸念から高齢症例に用いられることが多いが、急性骨髄性白血病や骨髄繊維症への進行のリスクとなるかについては明確には示されていない。