腸管虚血について

臨床と研究・93巻4号(平成28年4月) 腹痛   光岡雅文 田妻 進著   より引用

 

腸管虚血となる血管病変は、動脈塞栓症(50%)、動脈血栓症(15%)、NOMI(非閉そく型腸間膜動脈狭窄)(20%)、静脈血栓症(15%)の4つに分類される。腸管虚血の死亡率は高く、迅速な診断が重要であるが、しばしば困難である。

 

急性腸管虚血の特徴は、突然発症の痛みと痛みが強いわりに腹部所見がほとんどないことである。腹膜刺激症状を認めたときには虚血が進行して腹膜炎をきたしていることになる。危険因子は、高齢、動脈硬化、低心拍出量状態、心房細動、重症の弁膜疾患、最近の心筋梗塞の既往、腹腔内の悪性腫瘍などがある。

コメント:CTでの一発診断に頼りたい状態。