免疫チェックポイント阻害薬の副作用対策
日本医師会雑誌 2026年8月号より引用
初期治療が適切なタイミングと適切な用量のステロイド(通常、経口プレドニゾロン 1mg/㎏)で行われるならば70-80%の有害事象はステロイドで制御可能である。しかし、残りの20-30%のステロイド抵抗性病態に対してステロイド増量やステロイドパルス療法で乗り切ろうとしても一時的な炎症軽減を得るだけで、しばらくして再燃するという事態に直面する。ステロイド抵抗性・減量困難病態に際してはステロイド以外の機序の免疫抑制薬・生物学的製剤の追加併用を躊躇しないことが治療強化におけるポイントである。
なお、ステロイド抵抗性予測因子が同定されている病型は腸炎に限られており、下痢のCTCAE グレードに関わらず内視鏡検査で潰瘍が深い場合や多発、または病変が広範囲にわたる場合は高率に生物学的製剤を要する。・感染症合併の予防
副作用の制御に際しては、ステロイドの抗炎症効果だけに頼って数週間以内で治療を終結させることがきわめて困難であり、ステロイド(および必要に応じてほかの免疫抑制薬)の免疫抑制効果も借りる必要がある。しがたって、副作用治療経過中の免疫抑制状態は不可避であるため、日和見感染予防(ニューモシスチスカリニ肺炎予防のためのST合剤、CMV-IgG陽性患者におけるCMV抗原血症モニタリングなど)は必須である。