自分を愛するように他人を愛しなさい・・・ブッダはダメ人間だったより
「どの方向に心でさがし求めてみても、自分よりもさらに愛しいものをどこにも見出さなかった。そのように、他の人々にとっても、それぞれ自己が愛おしいのである。それ故に、自己を愛する人は、他人を害してはならない」(「ブッダ神々との対話」中村元著・岩波文庫)
これも、非常に説得力のある言葉ではないでしょうか?
ブッダは、自己を犠牲にして他人を愛せとか、他人のために尽くせなどと、無理難題は言っていないのです。
「自分の身を犠牲にして他者に尽くせ」
と唱える宗教家もたくさんいます。そして、自分の欲を捨て去ることが、「最善のこと」のように言う人もたくさんいます。バラモン教でもジャイナ教でも、それが「解脱」だと説いています。
でも、それは、絶対に現実的ではありませんよね。
そういう非現実的な思想を信じ込む人は、結局は、現実的な判断力が欠けていると思われます。だから、そういう人は得てして自分の師や無理な思想に振り回され、人のため、社会のためと称して、他人を傷つけたり、害したりするようになるわけです。 カルト教団などが良い例です。
実は、”自分を大切にする”ことができていない人が多いのではないでしょうか?
下は、エリック・ホッファーの言葉です。
驚くべきことに、われわれは自分を愛するように隣人を愛する。自分自身にすることを他人に対して行う。
われわれは自分自身を憎むとき、他人も憎む。自分に寛大なとき、他人にも寛大になる。自分を許すとき、他人も許す。自分を犠牲にする覚悟があるとき、他人を犠牲にしがちである。
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