フルクトース(果糖)30g負荷試験

はじめに

前回の実験で、糖質制限中の正常人および糖尿人のフルクトース15g内服に対する反応を調べた。

両者とも予想以上に血糖上昇を認めた。フルクトースは体内で一部しかグルコースへ変換されないことから、血糖値上昇のメカニズムは、胃が糖分の流入を感知し、肝臓からのグリコーゲン放出が引き起こされたことによるものと考えた。今回の実験では、正常人について、フルクトースを30グラムへ増量し、どのような反応をおこすか調べた。

(リンゴ1個240gの糖質量は35.6g、フルクトース18g)

 

被験者

被験者A 49歳男性 身長175cm 体重62kg 糖尿病なし 43歳時よりスーパー糖質制限実施中。

方法

空腹時に150mlの水道水に100%フルクトース30gを溶かし内服する。30分おきに2時間後まで計測。100%フルクトースはアマゾンで購入。
予想 内服したフルクトースがグルコースへ変換されて血糖上昇をおこしているわけではないので、15グラム内服と30グラム内服で、血糖上昇幅は変わらない。

結果

血糖値の変動
被験者A 30g 内服前 74 30分 125 60分 125 90分 100 120分

(被験者A 15g 内服前 77 30分 114 60分 111 90分 95 120分 85)

血糖上昇の最大値は51mg/dlで、15グラム内服時よりも大きかった。血糖上昇は、15グラム内服時より多少遷延傾向。

考察

フルクトース30グラムの内服では、15グラム内服よりも血糖上昇は大きく、かつ遷延した。血糖上昇幅が大きい理由は、被験者が糖質制限をしているためかもしれない。

前回の実験結果と合わせて考えると、ケトン体値の減少も遷延することが予測される。

下の論文によると、フルクトースの血糖上昇は、小さな山が連なるようにおこるという。ピークまでの時間は、フルクトースがグルコースに変換されるの必要とする時間であると考察されている。

糖の種類によるマウスの血糖量変化の違い

いずれにせよ、糖尿病者は、各人の果物に対する血糖上昇を測定し、大量摂取しないほうがよい。

 

実験協力

ローカーボカフェ35@Do  広島県広島市亀山5丁目7ー10  080-2909-2954

鷲見恵子さん(カフェオーナー)富樫誠司さん

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