ビタミンCがアポリポタンパクE E4保有女性の認知症リスクを下げる可能性を世界で初めて報告 

https://www.amed.go.jp/news/release_20180523.html より

・・・大変興味深い研究結果です。

ビタミン療法による認知症予防の効果を予感させる結果報告。

研究の内容

金沢大学附属病院神経内科では2006年より七尾市中島町において認知症の疫学研究(中島町研究)を継続しています。2007~2008年の中島町研究の調査(ベースライン調査)に参加した認知機能正常の地域在住高齢者(65歳以上)について、平均7.8年後に追跡調査を行い認知機能を評価しました(図3)。ベースライン調査時に抗酸化ビタミン(ビタミンC,E)の血中濃度とアポE表現型の測定を行い、ビタミンC,E血中濃度とアポE E4保有と将来の認知機能との関連を解析しました。ビタミンC、Eの血中濃度は、男女別に、低い群、中間の群、高い群の3群に分けて解析しました。

その結果、アポE E4保有女性では、血中ビタミンC濃度が最も高い群は、最も低い群と比べて、将来の認知機能低下(認知症または軽度認知障害の発症)のリスクが0.10倍(オッズ比)に減少していました(図4)。アポE E4非保有女性および男性ではビタミンC血中濃度と将来の認知症/認知機能低下リスクとの関連は有意ではありませんでした。アポE E4保有男性は人数が少なく解析ができませんでした。

また、アポE E4非保有男性では、血中ビタミンE濃度が最も低い群に比べて、ビタミンE濃度が最も高い群は将来の認知機能低下のリスクが0.19倍(オッズ比)、中間の群は0.23倍(オッズ比)に減少していました(図5)。アポE E4保有/非保有女性ではビタミンE血中濃度と将来の認知症/認知機能低下リスクとの関連は有意ではありませんでした。アポE E4保有男性は人数が少なく解析ができませんでした。

なお,本研究の参加者はほとんどビタミンC, Eサプリメントを使用していませんでした(それぞれ0.2%,1.7%)。