ドクターシミズのひとりごとより 家族性高コレステロール血症から考える 高LDLコレステロールは心血管疾患の原因ではない
1.アテローム性動脈硬化症の程度は LDLコレステロールに関連していない
2. 平均してFHの寿命は他の人とほぼ同じ
3.心血管疾患を伴わないFHのLDLコレステロールは、心血管疾患を有する同じ年齢のFHとほぼ同じくらい高い
4.FHのみを含むコレステロール低下ランダム化比較試験での結果は、疑問があるか全く利益がない
5.早期の心血管疾患を伴うFH家系の一部の非FHの人は、FHではない(つまりコレステロールが高くない)にもかかわらず早期の心血管疾患に苦しんでいる
6.FHのいくつかの研究は、様々な凝固因子が心血管疾患を引き起こし得ることを示している
つまりPCSK9阻害薬でFHに効果をもたらすには208人もの人を治療してやっと1人効果が得られるのです。数字のマジックに騙されないようにしなければなりません。
家族性高コレステロール血症から考える 高LDLコレステロールは心血管疾患の原因ではない その4 スタチンはアテローム性動脈硬化症を改善しない
つまり、スタチンだけでも、スタチンにエゼチミブ(ゼチーア)を併用しても、コレステロールの数字は良くなりますが、効果は無いばかりか、アテローム性動脈硬化症の進行を止めることができていません
家族性高コレステロール血症から考える 高LDLコレステロールは心血管疾患の原因ではない その5 家族性高コレステロール血症にはスタチンは禁忌ではないか?
家族性高コレステロール血症の細胞ではLDL受容体の問題によってLDLのコレステロールを受け取れないにも関わらずスタチンを使用してしまえば、細胞内で作り出すコレステロールさえも作れなくしてしまいます。
単純に考えると、スタチンを使用していない人では4,892人年あたり死亡は9人で、1000人年あたり1.8人の死亡で、スタチン使用者では、11,674人年当たり17人の死亡で、1000人年当たり1.5人の死亡となります。スタチンの使用により1000人年あたり0.3人の死亡の減少、つまり3300人年に1人をやっと助けられるようにしか見えません。
33年間100人を治療するとやっと1人死亡を減らせるとも言えます。
家族性高コレステロール血症から考える 高LDLコレステロールは心血管疾患の原因ではない その7 LDLよりもリスク因子として重要なもの
LDLよりも高血圧や糖尿病、喫煙、中性脂肪、HDLの方がリスク因子として重要なのです。
そうすると、糖質制限をしていて、喫煙しない女性のFHは心血管疾患を恐れる必要なんてないと考えられます。