書評「湿潤療法の考え方、使い方」
筆者は夏井睦先生の外来に2年間かよい、湿潤療法を学ばれました。
2014年に聖隷横浜病院 救急科/キズ・やけど外来 主任医長
2019年より秋田大学医学系研究科 救急・集中治療医学講座に勤務されています。
筆者がこの本の執筆に至った理由は、湿潤療法の理論が未だ十分には理解されていない現状があるためではないかと思います。ドレナージの重要性について1章を費やしていることからもわかります。
創傷治療の歴史の項では、「モイストウンドヒーリング」と「湿潤療法」の相違を確認し、「夏井式湿潤療法」の革新性とオリジナル性を述べている。この素晴らしい治療法は夏井睦が発明したものです。
筆者の夏井先生へのリスペクトが感じられると同時に、後世へ残すため大切な記述です。
10年近く前は、「植皮を勧められた」と悩んで受診される患者さんがおられましたが、大分状況が変わってきています。しかし、SNSのドクターのグループでは、いまだにひどい話が飛び込んできます。
以前の当院の治療症例