家族性高コレステロール血症について
日本医師会雑誌 2021年10月号より
⑴FHの多くはLDL受容体遺伝子の変異によるが、PCSK9遺伝子の機能獲得型変異、アポリポタンパクBno遺伝子変異によるものも存在する。
⑵ホモ接合体方は100万人に一人。ヘテロは200-500人に一人
⑶眼瞼黄色腫はFH以外でも認めることが多いため、特異度が低く、診断的価値は高くないが、FHを疑う所見ではある。
⑷腱黄色腫はアキレス腱肥厚として現れることが多く、診断には触診が重要である。一般に成人前には黄色腫はあっても軽度で、加齢とともに黄色腫が明確になる場合が多いが、逆に高齢でも腱黄色腫を各症例も存在する。
⑸FHホモ接合体においては、動脈硬化は冠動脈だけではなく早期に大動脈弁狭窄および弁上狭窄というかたちで出現しやすい。