MINOCA INOCAとは
月刊保団連 2024年11月号より
MINOCAの診断は、①心筋梗塞であること、②CAGで50%以上の有意狭窄がないこと、③冠動脈疾患以外の病態を否定できること、によってなされます。本例(心尖部心室瘤)の原因としては、冠攣縮や冠動脈解離・塞栓があったと考えられます。冠動脈全体のスローフローや造影剤が後期に残存することからも、何らかの内膜障害が過去にあったことが示されます。たこつぼ型心筋症や敗血症、いわゆるタイプⅡの心筋梗塞は考え難いと思われます。
改めてMINOCAは、心筋梗塞のような症状があるが、冠状動脈が詰まっていない状態を指します。 ”Myocardial Infarction with Non-Obstructive Coronary Arteries” の略称です。 1990年代以降、冠状動脈の閉塞や狭窄が認められない心筋梗塞について、関心が高まり始めました
INOCAについて
Iscmic and non-obstructive coronary arteries)は、狭心症を示唆する症状、徴候、検査所見を有しますが、冠動脈に器質的有意狭窄を認めない慢性症候群でCSA(冠攣縮性狭心症)とCMD(微小血管障害)があります。
CMDは、全年齢の男女に起こりえますが、40代後半から50代の更年期世代に多く、胸痛の持続時間が長く、息苦しさや首・顎、背部にも症状を伴うことがあります。原因は、直径0.3mm以下の微小冠動脈の①痙攣②拡張障害③微小血管が元来少なく相対的に虚血になること等が考えられます。
コメント:新しい疾患概念。