かかりつけ医研修会・・・認知症
2020年12月13日日本医師会のDVD講習(内容は2019年と同じ)
①状況
・高齢者人口の13%は軽度認知障害
・毎年、軽度認知障害の10-12%が認知症を発症する。
・認知症の疑いは本人自身が最初にわかる。
・医療機関に受診する人は、未だに10%程度にすぎないという報告もある。
②老化による一般的な変化
・喪失体験・・・恥をかきたくない、失敗をしたくない気持ちが大きくなる。恥をかかないように、新しいことをしたがらない。だんだんひっこみじあんになる。
・元々の性格、気質が、加齢とともにより強く、前面に出てくる。
③認知症の理解
・記憶力が衰えるだけが認知症ではない。レビーやピックは当初記憶障害がないことが多い。
・うつ病との鑑別が必要。高齢者はゆううつ感よりも、物事に興味がなくなったり、意欲低下などがおきやすい。
・高齢者のうつは自殺率が高い。
④アルツハイマー型認知症
・認知症自体の60-80%をしめる。
・2型糖尿病は、発症リスクを2倍に高める。
⑤レビー小体型認知症について
・4割がうつ状態を合併する。
・あっという間に進行する。寝たきりになって、肺炎で亡くなる。「早めに病気についての説明を家族にする」必要がある。
⑥前頭側頭型認知症
・高速道路を逆走するのは、この病気の人が多いらしい。
・半数近くは、認知症に進行しない。
⑦MCT(軽度認知障害)について
・半数近くは認知症に進行しないというデータもある。
・コリンエステラーゼ阻害薬やメマンチンにより認知症へ進行を防ぐというエビデンスはない。
⑧コリンエステラーゼ阻害薬
・QT延長や洞不全(頻脈)がありえる。
・消化器症状は有名(食欲低下など)
⑨成年後見制度について
・後見人ができることは、財産管理、身の回りの契約、身の回りの諸手続き。
・後見人ができないことは、身元保証人になる、手術などの医療行為に同意すること。
・回復の可能性があれば、意見書は基本的には書けない。