急性心筋炎・・・診断したことはないが、見逃せない病気

八ヶ岳診療日記

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山中克郎
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 循環器医、救急医の先生方が強くマークしている病気です。
 

 私は初診でこの診断をつけたことがありません。 引退するまでにいつかその日がくると思い続けようと思います。

 

症例は36歳男性。咳が出て胸が苦しい。

38度の発熱。いったんアセトアミノフェンを処方されて帰宅。
翌日咳がひどくなり、胸が痛くなってきた
 2年目の研修医が血圧の低下(前日137、当日90)と頻呼吸(18回)と頻拍(121)より追加の検査を行った、
 胸部レントゲンでわずかな心肥大と肺うっ血。心電図でⅡ、Ⅲ、aVF、V5、V6でST上昇を認めた。
 心エコーで心室の動きが全体的に低下。

 CPK 2062 AST 226 ALT 65 LDH830 トロポニンI 41

 

やはりバイタルですね。 

以前徳田安春先生は講演会で、急性心筋炎の1例だけで時間を使われました。”見落としてほしくない”というメッセージだと思いました。 その時にこの映画をテーマにしていました。(思いっきりネタバレですが)舞台は沖縄で、お兄さんが急性心筋炎で死んでしまうのです。