熱帯地からの帰国者の発熱

日経メディカル 2019年5月号より

名古屋第二赤十字病院症例カンファレンスより

症例46歳男性。発熱、悪寒、全身倦怠感

 →血小板減少、間接ビリルビンの軽度上昇、顕微鏡的血尿など
 腹部CTで脾臓の腫大が確認され、マラリアが強く疑われた。

 →血液スメアで赤血球内にマラリア原虫あり。(リング状の中体)

 → 熱帯熱マラリアの診断

ポイント
マラリア、腸チフス、デング熱はまず考慮する。 腸チフスでは血液と便の培養を。デング熱ではPCR、IgM抗体の測定を。マラリアと腸チフスは致死的になりうる。デングも重症化することがある。
②マラリアの症状・・・・発熱、倦怠感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、貧血、血小板減少、脾臓腫大など
③リケッチアは風土病としてあるが、頻度は低い。

④訪問地で流行している疾患をネットで確認する。どんな行動をしたのか?も聞く。

コメント:症状ではこの3疾患の鑑別ができにくそうである。