レジオネラ肺炎は呼吸器症状がない?!ことがある。

以前、スーパー銭湯へ行ってレジオネラ肺炎になった男性を診察したことがあります。

高熱で呼吸器症状は全くなく、比較的徐脈もありませんでした。

ニュースにでていたスーパー銭湯へ行きました。」と教えてはくれないので悩みました。

 レジオネラ肺炎の致死率は治療しても7%程度ある

東京都感染症情報センターのサイトより引用

レジオネラ肺炎の潜伏期間は2~10日です。全身倦怠感、頭痛、筋肉痛などの症状に始まり、乾いた咳、痰、高熱、悪寒、胸痛が出現します。腹痛や下痢等の消化器症状や、傾眠、四肢の振せんなどの中枢神経系の症状がみられるのも特徴です。有効な抗菌薬治療がなされないと、致死率は60~70%に増加しますが、適切な治療がされれば致死率は7%程度になります。

 

以下広島医学 73巻2号より引用

呼吸器症状を認めなかったレジオネラ肺炎の1例
広島市立広島市民病院研修部 山本 興幸 他

(症例)45歳男性
(現病歴)201X年6月中旬に発熱、下痢、頭痛にて近医受信したが、原因不明だった。海外渡航歴や温泉、銭湯の入浴歴はなかった。SPO2は正常で咳嗽や呼吸困難感などを認めなかった。比較的徐脈、軽度認知機能低下、意識障害を認めた。血液検査ではWBC10,400、 CRP22.4、CK558、Na120.4だった。胸部CT検査では気管支透亮像を伴うコンソリでーションを認めた。尿中レジオネラ抗原からレジオネラ肺炎と診断しLVFX,AZMを開始した。症状、血液検査、画像所見は改善し、入院第7病日にLFVXを内服に変更し退院した。

(考察)本症例のようにレジオネラ肺炎は呼吸器症状がない場合もあり、発熱に加え下痢、意識障害、低ナトリウム血症、CK上昇などがみられる場合は本疾患を疑う必要がある。