糖尿病患者のビタミンDと尿たんぱくとHbA1cの関連

日本内科学会雑誌の抄録より

当院糖尿病患者における25-OH-vitaminDと尿アルブミン/クレアチニン及びHbA1cとの関連について(2017年3-8月分)

島田記念病院 坂東秀訓 萩原誠也 土田健一 三沢和史 中山秀隆 種田紳二 萬田直紀

目的

既報においては25水酸化ビタミンD(25OHD)と尿アルブミンとの関連について報告がある。日本人糖尿患者における尿アルブミン/クレアチニン比(尿ALB/Cr)との関連を明らかにするとともにHbA1cとの関連について再検討する。

方法

対象は2017年3月から8月までの外来および入院患者(非透析症例)合計305例、25OHDと常用対数変換後のALB/Cr(log(uAlb/Cr))の送還を検討した。25OHDを目的変数、BMI、Ca、eGFR、HbA1c、血清リン値(P)、測定時点における骨粗しょう症の有無、性別、糖尿病型、log(uAlb/Cr)、年齢を説明変数とした重回帰分析をおこなった。

結果

25OHDとlog(uAlb/Cr)の間に負の相関が認められた。(r=-0.126. P<0.05)。重回帰分析において25OHDとの関連はBMI、eGFR、HbA1c、骨粗しょう症の有無、性別、log(uAlb/Cr)で有意であった。(P<0.05)。標準化回帰係数の絶対値は、HbA1c、BMI、log(uAlb/Cr)の順であった。

総括

日本人糖尿病症例において、25OHDと尿ALB/Crは他因子とは独立して負の相関が認められ、かつ最も関連が深い。