医学史を学ぶ重要性

 

新しい時代を切り拓く人は、歴史に学んでいると思います。着眼点が異なる。

今当たり前のように行われている医療行為も10年たつと消え去るものが少なくないと思う。

20年以上医者を経験させてもらって、消えていく治療や薬、訂正された考え、たくさんありました。

 

医学史の授業・・・山中克郎先生・・・「かなたを見渡すために、歴史を学べ

世にも危険な医療の世界史

 

以下「メディカル・マーベリックス」より引用

 リオールダン博士には、医学生時代に体験し、ずっと深く印象に残っていた出来事がもう1つあった。実は本書は、その体験から生まれたのである。医学史の授業とその担当教授を、リオールダン博士は大変懐かしく思っていた。最近、医学史がほとんどカリキュラムに入っていないのは、現代医学の憂うべき状況といえよう。大学を卒業したばかりの若手医師には、医師という職業の広範な歴史的視点が欠けている。これこそリオールダン博士と仲間が、医学生時代に嬉々として学んだことなのである。リオールダン博士は振り返って述べている。

 

「医学の歴史からは、非常に優れた視野と冷静さを学ぶことができます。これは、日常直面する活動だけでは修得できないことです。歴史を知ることで、たとえば、ウィリアム・ハーヴェイが体内を血液が循環していることを同僚に認めさせることができなかったのは、もう一人の医師、ガレンがそれを否定したためであったことがわかります。血液循環という事実でさえ、長い間信じられなかったのですから、ビタミン摂取の意義が理解されないからといってあわてることもありません。ハーヴェイの血液循環説に対する当時の一般の反応は、「奇説である、有害である」などでした。」

 

リオールダン博士の古くからの友人で、同士でもあるエイブラム・ホッファー博士も、近年医学部のカリキュラムから医学史がはずされていることを嘆き、次のように述べている。

 

「医学生には、強制的に医学史を学ばせるべきであると思います。学生がまだ感受性が強い時期、つまり1年目に、これを必修科目とすべきです。われわれには今、かつてないほど医学誌教育が必要になっているといえます。」

 

分子整合医学の概念になじみのない聴衆に向って講演をするとき、リオールダン博士は次のように語りかける。
「疑い深い人が、私の言葉をそのまま受け取るとは期待していません。皆さんが自分の頑固な思い込みを堅持されるよう期待しています。」

 

結局、アルトゥール・ショーペンハウアーの言葉が正しかったと、歴史は繰り返し証明している。彼は観察に基づき、次のような結論に至った。

あらゆる真理は、3段階を通過しなければならない。第1段階で嘲りを受け、第2段階で激しい反対に遭い、第3段階で自明の理として受け入れられる。」

現在、分子整合栄養医学は第2段階から第3段階へと移行する途上にある。