蛋白漏出性胃腸症とは?
ドクターサロン 2025年9月号より
・まず蛋白漏出性胃腸賞の患者さんは、低蛋白血症や低アルブミン血症というかたちで、低栄養でむくみなどが多くでていらっしゃることが多いです。
・そこからもう一つの特徴として下痢症状がありますので、最初の問診の時点で、単純に低栄養だけではなくて蛋白が腸からでいているのではと推測できると思います。
・主に炎症性や腫瘍、感染症、薬剤性がありますので、原因によっては、例えば炎症性腸疾患など比較的若い方に多い場合もありますし、腫瘍のように高齢の方の疾患に合わせて出てくる場合もあります。
・大きく分けて、上皮の粘膜の障害が一つと、もう一つはリンパ管の拡張やリンパ管圧が上がることによって漏れ出てくるものがあります。そちらの、続発性として有名なものとしては、フォンタン手術といって、心臓の心室を一つにしてしまう手術があります。それは下大静脈から直接、肺動脈につなく手術のために、心室に帰らないので、静脈の圧があがってしまうため、最終的にリンパ管の内圧が上がって蛋白漏出をきたすからです。
・脂肪は通常カイロミクロンがリンパ管由来ですが、中鎖脂肪酸は門脈経路で吸収されるのでそれを推奨するということですね。
数年前に診させていただいた高齢の患者さんは、プロテインを飲んでも、まったくアルブミン値が上昇せず、浮腫がひどかったです。入院されても、蛋白漏出症状の原因はつかめませんでした。
MCTオイルなどが推奨されることは知りませんでした。