患者さんの手を取ればいろんなことがわかる

問診や身体診察は地味で、世間にもそう評価されていると思えない。

みんなCTやMRIや血液検査が大好きだ。そして、最新鋭の機器がある大病院を信頼している。

一方そこには、地味ながらシャーロックホームズのような楽しさ、推理がある。(私はへぼなので、悩むことが多い。)

診断に寄与する率は「問診が8割、身体所見が1割、検査が1割」と言われている。

 

①山中先生は「手から診察を始める」。

手をとることで、脈、血圧、体温、冷や汗があるか、貧血がないかなどをチェック。

手を握れば、関節炎の有無がわかる。爪に病気が現れることもある。

皮膚の状態も少しわかる。

 

②ポリファーマシーについて

高齢者の4種類以上の薬の内服は、危険があることを指摘している。筋力やバランス力の低下により転倒しやすい。転倒は寝たきりにつながる。 薬が原因で入院している人は予想以上に多い。

・・・心にいつも薬と結核を

 

③キーワードで診断に近づく

山中先生は、問診を重視している。問診で”謎を解く鍵”となる言葉をひきだせるかが、腕の見せ所。

具体例

「このころ、立ち上がるのがつらい」・・・近位筋の障害

ひどく痛がる虫刺され・・・壊死性筋膜炎

 

④エキスパートの診断は直観が95%

経験と知識の積み重ねがそれを可能にする。

 

⑤敗血症の新しい診断基準

・呼吸回数が一分間に22回以上

・精神状態の変化

・収縮期血圧100mmHg未満

3項目中2項目以上

 

⑥静脈不全の身体所見のキーワード

・両脚のむくみ

色素沈着

 

⑦ターニケットテストとは?

肘の上をゴムで縛ると、皮下出血が現れる。

デング熱では、血管の透過性が高まって、血液が血管から漏れやすい状態になっている。