低カルシウム血症は奥が深い
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高カルシウム血症は、時々遭遇します。高齢者の脱水時(特に、活性型ビタミンD内服)、悪性腫瘍(多発性骨髄腫に多かった)、副甲状腺機能亢進症も多いらしい。
双極性障害に用いられるリチウムは、副甲状腺ホルモンのセットポイントを上げ、高カルシウム血症をおこす。サイアザイド(利尿薬)は、カルシウムの再吸収を促し、高カルシウム血症を起こす。
一方、低カルシウム血症は、印象がうすい。過換気時のテタニーは有名だが。
以下引用
低カルシウム血症の症状
神経症状・・・手指・口唇のしびれ、痙攣、興奮、せん妄、錐体外路症状
心臓・・・心収縮力低下、不整脈、QT延長、房室ブロック
消化器・・・嘔気、嘔吐、下痢、腸管痙攣
皮膚・・・皮膚乾燥、湿疹、脱毛、爪・歯・毛の形成不全
その他・・・喉頭痙攣、白内障(機能性低カルシウム血症)
甲状腺術後、副甲状腺術後の人に疑う!!
消化器の症状や皮膚などの所見は非特異的で低カルシウム血症を疑うのは難しそう。
以下引用
低カルシウム血症の原因カルシウムの摂取不足・・・低栄養、消化管からの吸収不良
カルシウムの吸収障害・・・ビタミンDの摂取不足、活性型ビタミンDの産生障害(皮膚、肝臓、腎)
骨吸収の抑制、骨形成の促進・・・副甲状腺の機能低下、hungry bone syndrome
カルシウムの排泄増加・・・副甲状腺の機能低下、腎臓の機能低下
その他・・・高リン血症(横紋筋融解症など)、低マグネシウム血症、カルシウム感知受容体異常、DiGeorge症候群、ヘモクロモサイトーシス、サラセミア、Willson病
腎不全の低カルシウム、高リン血症は有名。低マグネシウム血症がある場合には、まず低マグネシウムを改善させる必要がある。
日本人の大多数はビタミンD不足なので、本当はもう少しカルシウムが体内に存在するべきなのかもしれない。