内科医が知っておきたい排尿トラブル

広島内科医会雑誌より 松原昭郎先生

引用 要約

①尿意切迫には膀胱訓練、骨盤底筋訓練、体重減少。尿意切迫の原因の大半は不明。

②尿意切迫の薬物。抗コリンあるいはβ3ブロッカー。男性では抗コリン薬による排尿困難悪化や残尿量増加のリスクが女性よりも高い。男性にはα1ブロッカーから始める。

③尿意切迫の治療方法として、ボツリヌス毒素膀胱内注入療法、磁気刺激療法、仙骨神経刺激療法などがある。

④夜間頻尿について。まず生活指導。飲水制限、塩分制限。夕方の散歩。ダンベル、スクワットなどの運動夕方の下肢の挙上。弾性ストッキングの着用。

⑤夜間頻尿の薬物療法。V2受容体作動薬デスモプレシン・・・抗利尿ホルモン(デスモプレシン)と同様の働きをする薬物の口腔内崩壊錠が男性にたいしてのみ「夜間多尿による夜間頻尿」の適用を取得している。この薬剤には有用性に関するレベル1のエビデンスがある一方で、低ナトリウム血症、頭痛などの有害事象に注意が必要である。

⑥夜間頻尿に対する薬物。 ループ利尿薬。およびサイアザイド系利尿薬。これらには夜間品用が改善するというレベル1の報告が多く、わが国とヨーロッパのガイドラインでは利尿薬が夜間頻尿治療の1つのオプションとして記載されている。ただし、悪化させるという報告もある。

⑦夜間頻尿に対する薬物。NSAIDs。副作用もありうる。

⑧。高血圧、心不全、冠動脈疾患、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬が夜間頻尿のリスク因子であることが多数のハイレベルの研究で報告されている。とくにカルシウム拮抗薬については、薬剤投与開始前に夜間頻尿を含めた排尿トラブルの評価をすべきであること、使用後に排尿トラブルの出現する可能性について言及し、症状が出たら医療関係者に進言することが本邦および欧州のガイドラインで推奨されている。