遷延性咳嗽、慢性咳嗽

ドクターサロン 2025年7月号より 新実 影男先生

・咳嗽の鑑別・・・湿性か乾性か

・湿性咳嗽・・・感染症、COPD、副鼻腔気管支症候群など

・乾性咳嗽・・・咳喘息が一番多い原因

・消化器系・・・逆流性食道炎・・・胸やけ、げっぷ、起床直後である、起き上がったらすぐ咳がです、食後に悪くなる、体重が増えると悪化するなどの特徴。

・耳鼻科系・・・副鼻腔気管支症候群、アレルギー性鼻炎など

・アトピー咳嗽とは、「これは少し咳喘息と紛らわしいところがあるのですが、名前のとおりにアトピー素因を持っている患者さんに続く乾性咳嗽です。咳喘息に似ていますが、咳喘息と違うところは気管支拡張薬が効かない。そして咳喘息の一部は典型的な喘息に移行しますが、その以降が起こらないといったところが相違点となります。

Q そうしますと、アレルギー系の薬を使いますか?」

A はい。ヒスタミンH1拮抗薬が第一選択薬で、最初に処方します。(眠気のきやすいポララミンなど)

・湿性咳嗽であれば鎮咳薬は使わない。使うとすれば去痰薬です。現在のガイドラインでは喀痰調整薬といっている薬剤を使って痰の喀出をしやすくして、咳をやわらげます。(カルボシステインなど)

・Q 咳というのは気道の、何かいらないものを出す反応と考えていいんでしょうか?

A そもそもは生体反応ですので、過度に咳を抑えると誤ねんのリスクを上げたりします。そういったこともあって、ガイドラインでは中枢性鎮咳薬を使い過ぎないようにということを強調している次第です。