急性腹症について

Q一般外来、救急外来を腹痛で受診した場合、重篤または手術が必要になる頻度は?

致死的な患者は0.5%未満、重篤または手術が必要になる患者は20%前後

コメント:かなり高い。

 

Q 突然発症の腹痛に診断的意義はあるか?

突然に生じた強い腹痛では、まず大動脈瘤破裂や大動脈解離の可能性があり、次いで消化管穿孔や臓器の虚血(腸間膜動脈閉そく、卵巣茎捻転)、さらに胆管や尿管閉塞が疑われるため診断的意義は大きく、急性腹症では痛みの発症様式を確認する。

 

Q 腹部視診は急性腹症の診断に有効か?

・腹部視診では、手術瘢痕、皮膚所見、腹部膨満(局所、全体)、ヘルニア、腫瘤、腹部拍動、呼吸による腹壁運動などを観察する。

・急性腹症の患者で、腹部膨満、腸管蠕動、手術瘢痕を視診で認めると、腸閉塞の可能性が高くなるため観察する。

コメント:マクギーによると、視覚的蠕動で腸管狭窄を検出する場合、感度6%、特異度100%

 

腹部大動脈の診察方法

・患者を仰臥位にして腹部の緊張を取り除いた状態(膝を曲げる)で行う。

触知可能な大動脈はへそよりも数センチ頭側で正中線よりも左寄りである。

腹部大動脈りゅうの診断は大動脈拍動の幅であり、拍動の強さではない。

 

虫垂炎の検査

・腸腰筋テスト・・・感度は3-42%、特異度は79-98%。・・・特異度が高い。

・閉鎖筋テスト・・・感度8%、特異度94%・・・これも特異度が高い。