高齢者の消化管穿孔
臨床と研究・93巻4号(平成28年4月) 腹痛 光岡雅文 田妻 進著 より引用
消化管穿孔は、高齢者に多く、診断までに24時間以上かかると死亡率が上昇する。消化管穿孔の原因は多くあるが、若年者では消化性潰瘍によるものが最も多い。消化性潰瘍の穿孔は、消化性潰瘍の既往のある患者が突然の強い腹部全体の痛みを訴える場合には疑うべきである。高齢者では憩室症や悪性腫瘍などによる下部消化管の穿孔がみられることが若年者よりも増え、上部消化管穿孔よりも腹腔内の汚染程度が強く予後が悪い。
コメント:高齢者では下部の穿孔の可能性も考える。