高齢者の急性虫垂炎

臨床と研究・93巻4号(平成28年4月) 腹痛   光岡雅文 田妻 進著   より引用

虫垂炎の症状は、心窩部痛→悪心・嘔吐→右下腹部痛→発熱→白血球増多・CRP上昇の順に進行していくとされている。高齢者、妊婦、精神疾患患者では非典型的な症状を示し、初診時の誤診率は40-50%で死亡率や合併症率も高い。患者側の受診の遅れと医師側の診断の遅れによって、穿孔率が約50%と若年者よりも約5倍高い。高齢者では、右下腹部痛がない、痛みの移動がはっきりしない、発熱がないことがあり、虫垂炎の穿孔に腹膜炎や膿瘍形成によって腹部全体の痛みや圧痛を伴うことや腫瘤を触知することが多い。

コメント:誤診率も穿孔率も大変高い。