高齢者の心筋梗塞
臨床と研究・93巻4号(平成28年4月) 腹痛 光岡雅文 田妻 進著 より引用
急性心筋梗塞は、一般的には胸痛を伴うが、心窩部痛のみでも虚血性心疾患の可能性を考えなければならない。非典型的な症状で発症する心筋梗塞は、高齢者、女性、糖尿病患者に多いとされる。65歳以上の高齢者の不安定狭心症の患者の調査で、45%は胸痛がなく、8%が心窩部痛、38%が悪心の症状を訴えている。診断と治療の遅れは死亡率を上昇させるので、悪心や心窩部痛を訴える高齢者では、全員心電図検査をすべきである。
コメント:心筋梗塞の見落としの訴訟はとても多い。何等かの症状があれば、まだよいが、はっきりした症状がない場合すらあり得る。医療行為に100%はないことを、理解してほしいと思う。