サピエンス全史

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
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「サピエンス全史 上巻」

 

2016年初版。著者は1976年生まれのイスラエル人。
最新の文化人類学がテーマ。

 

筆者の人間観はクールだと思う。(文化人類学がそういうものなのだろう)
根底に、人間が同じ人間を残虐に大量殺戮してきた事実をどう考えるか?というテーマがある気がする。

 

 自らを”ホモ・サピエンス(賢い人)”と名付けた人間であるが、神の目からみれば愚かな滅亡まっしぐら(殺し合いで)のサピエンスの一つに過ぎないのだろう。

 

 

地球に君臨する捕食者の大半は、堂々たる生き物だ。何百万年にもおよぶ支配のおかげで、彼らは自信に満ちている。それに比べると、サピエンスはむしろ、政情不安定な弱小国の独裁者のようなものだ。私たちはつい最近までサバンナの負け組の一員だったため、自分の位置についての恐れと不安でいっぱいで、そのためなおさら残忍で危険な存在となっている