日本女性の1000万人以上が隠れ貧血!?ヘモグロビン正常値でも疲れやすく息切れがあれば血液検査を
2017年9月8日 日本女性の1000万人以上が隠れ貧血!?ヘモグロビン正常値でも疲れやすく息切れがあれば血液検査を
https://medicalnote.jp/contents/160623-002-LU
聖路加国際病院 血液内科部長
岡田 定 先生
以下引用
食生活の変化や婦人科疾患の増加などに伴い、「鉄欠乏性貧血」は国民全体の問題ともいえるほどに増加しています。また、貧血とは診断されないものの体内の貯蔵鉄が不足しており、“なんとなくだるい”という症状を抱えている日本女性は1000万人以上にものぼるといわれています。ご自身が上記のような「隠れ貧血」かどうかを確認するには、どのような検査を受ける必要があるのでしょうか。一般的な鉄剤を苦手とする方への治療方法と共に、聖路加国際病院血液内科部長の岡田定先生にご解説いただきました。
一般的には、ヘモグロビン濃度(Hb)が男性で13 g/dl、女性で12 g/dl、高齢者で11 g/dlを切ると貧血と診断されます。そのため、この数値に達することを「ゴール」として貧血治療をされる方も多々いらっしゃいます。
しかし、このような定義上の貧血以上に注意すべきは、“ヘモグロビン値は正常範囲であっても体が鉄欠乏状態” である「潜在性鉄欠乏症」です。
潜在性鉄欠乏症とは、体内の貯蔵鉄が不足することで様々な症状が現れる状態です。メディアなどでは「隠れ貧血」とも呼ばれ、少しずつ認知されはじめています。
主な症状として全身倦怠感が挙げられ、女性の不定愁訴の原因のかなりは鉄欠乏性貧血とこの潜在性鉄欠乏症で説明がつくとも考えられます。
潜在性鉄欠乏症は、ヘモグロビン濃度ではなくフェリチンの数値 でみます。最新のデータでは、明らかな鉄欠乏状態であるフェリチン15 ng/mL未満の方が、日本の女性全体の22%にものぼるとされています。つまり、日本には1000万人以上の「隠れ貧血」の女性が存在するというわけです。これは成人前や閉経後も含めた数値であり、20歳~40歳代に限定すると割合は40%以上に上昇します。
疲れやすさを「歳のせい」と思いこまないで-隠れ貧血も治療対象になる!