認知的エラーを減じるための10の心得

1.どのように考え、決断したのか振り返ろう
自分の考えを考える、つまりメタ認知を働かせるようにしましょう。最終診断の前に少しだけでも時間をとって思考プロセスを振り返ってみましょう。

 

2.重要な決断をする時には、自分の記憶に頼らないようにしよう
記憶には限界があります。チェックリストなどを用いて、冷静な間違いのない手順を踏んで決断しましょう。

 

3.タブレットPCなどのような再診のワイアレス・テクノロジーを使って自分の診療環境を情報にアクセスしやすいものにしておこう
 わからないことはすぐに調べられる環境を整備しておきましょう。症例によっては知識がなくて診断にたどりつかないということがあるかもしれません。そんな時でも今やインターネットの世界にはあるれんばかりの情報があり、診断につながる情報がすぐに得られます。

(Google検索で一発診断ということも十分可能!?)

 

4.最初の診断に自信があっても他の可能性を考えよう
自分の診断では説明のできないことはないか探すようにしましょう。1つの反証的な所見は10個の支持する所見に匹敵するともいわれます。

 

5.鑑別診断において、ベイズの定理と疾患の疫学を理解して適用しよう

 

6.自分の専門領域でみることが予想されるコモンな状況と重篤な状況を事前にリハーサルしておこう
自分の診療セッティングでよく遭遇する状況については、整然と診断プロセスが進められるよう、事前にさまざまな準備をしておきましょう。フローチャートに沿って思考を進めることによってうっかりミスを減らすことが可能になります。

 

7.自分が最終決断をするのに適切な人かどうか、患者の価値感と意志を検討することに関しての専門家かどうか、を自問しよう
本当に自分が診断するのでよいのか、今一度よく考えてみましょう。ほかに頼りになる人がいるなら相談しましょう。あるいは、その人に診断を任せましょう。自分の能力の限界を自覚することは重要なことです。しかし、適切な自己評価をすることはなかなか難しいことです。無理をしない、自信過剰にならないほうに気をつけましょう。

 

8.決断のための時間を取り、他の人からのプレッシャーを受けないようにしよう
焦ると間違いを犯しやすくなります。決断の前にはリラックスして冷静でいられるようにしましょう。

 

9.下した決断に対して責任を持ち、フォローアップをしよう
診断したなら、それが誤っていないか、最後までフォローアップしましょう。患者さんの帰結を必ず確認するようにしましょう。もし患者さんが再診しないとしたら、それは診断が誤っていたため他の医師の診療を受けているのかもしれません。

 

10.診療のレビューによって質を改善するため、患者の問題と決断をリレーショナル・データベースに記録しよう
患者情報をデータベース化して、定期的に診断と経過を見直して診療能力の向上につなげましょう。