2011年3月8日

小児科勉強会 感染症を中心に症例の報告がありました。

<講義メモ>

印象に残った症例
1.14歳 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) 発症一週間後に睾丸腫大。デカドロン注射にて改善。
*10歳以上は睾丸のチェックを。(女性では乳腺炎や卵巣炎をおこすことがある)

2.血液培養で肺炎球菌が検出された1歳の2例。1例は中耳炎が原因。

3.髄膜炎の4ヶ月児。血液、膿脊髄液で培養陰性。デカドロンを使用し細菌性髄膜炎として治療。
*血液培養はなかなか陽性にならないが、必要なことが多い。

4.2歳。粘血便。O157陽性。HUSを発症。
*粘血便は培養を。毒素産生大腸菌では7例中4例がHUSを発症しており、高頻度である。小さい子ほどなりやすい。
*粘血便にならない症例もあり、強い腹痛には便培養も必要。

5.川崎病 高熱が続くが、すぐに川崎病とはわかりにくい。四肢末端の発疹、咽頭発赤、苺舌、結膜充血、口びるのはれなど。
*エルシニア腸炎でも川崎病様の症状がでることがある。(川崎病よりも年齢が高い。75%は15歳以上。右下腹部痛、関節痛、結節性紅斑)

6.急性巣状細菌性腎炎
膀胱尿管逆流症にともなうものと診断された。
*急性巣状細菌性腎炎の診断は検尿での異常がない場合は困難。造影CTが必要。膀胱尿管逆流があることが多い。不明の細菌感染を反復すれば疑う。

7.インフルエンザで14例入院。季節性に比べて肺炎になる頻度が高く、その場合急激に呼吸困難に陥る。ステロイドが有効。

8.2歳。原因不明の肺炎気管支炎。鼻汁のPCRでメタニューモウイルスが陽性。
*経過の長い抗生物質不応の肺炎気管支炎はメタニューモウイルスも疑う。ステロイドが有効。(RSウイルスもステロイド有効)
*マイコプラズマ肺炎はマクロライド耐性かなり多い。ミノマイシン、オゼックス有効。ミノマイシンは短期間でも歯の着色の報告があり、8歳以下では使いにくい。

9.黒色便
*ブルーベリージャム様の血便をみたらメッケル憩室を疑う。

10.2歳。高熱が続き来院。腹部エコーで左腎に腫瘤。
*高LDHから固形腫瘍を疑う。*腹部腫瘤→妊娠あり。

11.発熱、高血糖
*高血糖は感染に伴うものか

12.6歳蜂窪織炎うたがい。骨髄性白血病
*まず外来で血液検査を

13.異型リンパ球の増加とかぜ症状。鼻汁のウイルス培養でHHV6と診断
*EBウイルス以外でも突発性発疹などのウイルス感染症で異型リンパ球の増加あり。

14.虫垂炎
*虫垂炎の診断の困難さ

 

講義メモ