日常診療における気管支拡張症
日本内科学会雑誌 2025年6月号より
気管支拡張症は慢性の咳嗽や喀痰、反復する気道感染を特徴とする慢性呼吸器感染症である。一般的に、特発性、感染後が多いとされるが、本邦の気管支拡張症の増加には、女性の肺NTM症の増加が関与している。原因疾患の特定が管理のカギとなるため、アルゴリズムを参考とする。排痰療法や抗菌薬、マクロライド療法を中心とした治療により症状の軽減と進行抑制を目指す。
原因⑴特発性⑵感染後・・・20-30%を占める。肺結核、肺炎など。 ⑶NTM ⑷免疫不全 5-10%を占める。分類不能型免疫不全症(CVID)が最も多い。⑸絨毛機能不全症候群 ・・・絨毛機能の障害により気道からの分泌物排出が困難となり、慢性的な感染と炎症により気管支拡張症へと進行する。ほとんどの症例で、慢性副鼻腔炎を合併する。これに加えて約50%に内臓逆位を認めるとされ、慢性副鼻腔炎、内臓逆位、気管支拡張症の3徴はカルタゲナー症候群として定義されている。(本邦の約半数を占めるDRC1遺伝子変異によるPCDでは、内臓逆位を認めないため、その頻度は約1/4程度と推定される)⑹アレルギー性気管支肺アスペルギルス症。ABPAの約70-80%で気管支拡張症が認められる。⑺膠原病 関節リウマチなど
⑻黄色爪症候群・・・YNSに気管支拡張症を合併する頻度は約45%と高率である。 黄色爪、リンパ管浮腫、胸水貯留
⑼DPB⑽誤嚥/胃食道逆流症