アルファリポ酸点滴について・・・糖尿病性神経障害

認知症治療研究会会誌1 4巻より
柳澤厚生先生

 

アルファリポ酸は多くの細胞の補酵素として働く有機化合物である。欧州ではドイツを中心に糖尿病性神経障害に対する治療として点滴療法が一般的である。アルファリポ酸には、インスリン感受性の亢進、酸化ストレスの改善、血管内皮機能の改善、エネルギー代謝の改善などの作用がある。米国、ロシア、ドイツの共同試験のシドニートライアルが有名で、アルファリポ酸の600㎎の点滴で糖尿病性神経障害の自他覚的兆候の改善が明らかにされた。日本ではこの治療はほとんど知られていない。