ビタミンD3外用薬で腎不全

日経メディカル 2012年9月号より

ビタミンD3外用薬で腎不全  腎障害患者には必ずクレアチニンやカルシウムの確認を

ビタミンD3外用薬の投与で急性腎不全を発症するケースが相次いでいる。外用薬は注射薬に比べて安全と思われがちだが、高齢者や腎障害患者では、血清クレアチニンと血清カルシウム値の定期的な測定が必須だ。

2010年8月下旬に水様性下痢と食欲不振を来し、近医でウイルス性腸炎と診断されて保存的治療を受けた60歳代男性。下痢症状は改善したが、その後も全身倦怠感が持続したため、平山氏の元を受診した。

この数年以内に、国内で本症例と同様に活性型ビタミンD3外用薬の使用中に急性腎不全を起こした症例が15例報告されている。

血中に取り込まれる活性型ビタミンD3外用薬の薬物量は、静注製剤に比べてむしろ多い。