アトピー性皮膚炎ー病態解明と治療の進歩

日本医師会雑誌 2025年2月号より引用

地位別で北欧やイギリス、オーストラリア、ニュージーランドといった緯度の高い国や地域の有病率が高い傾向があった。アトピー性皮膚炎有病率が経済的に裕福な地域で高かったことから、「アトピー性皮膚炎は金持ちの病気である」とい揶揄されることもあった。実際には、感染症の少ない清潔環境下ではアレルギー疾患が増えると言う衛生仮説、高緯度地域での日照時間減少に伴うビタミンD不足などが地域差を生じた一因と考えられる。

タイプ2サイトカイン・・・IL4,IL13、IL31・・・IL31は痒みのモデュレーター

経口JAK阻害薬よりも生物学的製剤が適する患者像

・JAK阻害薬で禁忌、または注意すべきとされる項目に該当する患者(悪性腫瘍、肺塞栓症や深部静脈血栓症、憩室炎、心血管疾患の既往やリスクの高い患者など)。

・さまざまな併存疾患があり、安全性をより重視したい患者

帯状疱疹の既往のある患者

・カボジ水痘様発疹症を含む皮膚感染症を繰り返している患者。

・現在喘息を併発している患者(デュビルマブのみ喘息に対しても保険適応)

 

JAK阻害薬による帯状疱疹発症のリスク面から、50歳以上(特に65歳以上)、帯状疱疹の既往のある患者は、生物学的製剤から開始を検討する。

 

目の合併症

⑴アトピー性角結膜炎 ⑵アトピー性眼瞼皮膚炎 ⑶アトピー性白内障 ⑷アトピー性網膜剥離 ⑸円錐角膜 ⑹アトピー性緑内障