5年間のビタミンD補給により自己免疫疾患のリスク低減/BMJ
5年間のビタミンD補給により自己免疫疾患のリスク低減/BMJ
上記より
ハーバード大学公衆衛生学教室らが行った。
ビタミンd 2000単位/日 オメガ3 1G/日
介入 中央値 5.3年
NIHが助成 Funding: This study was funded by the National Institutes of Health grants R01 AR059086, U01 CA138962, R01 CA138962.
CONCLUSIONS
Vitamin D supplementation for five years, with or
without omega 3 fatty acids, reduced autoimmune
disease by 22%, while omega 3 fatty acid
supplementation with or without vitamin D reduced
the autoimmune disease rate by 15% (not statistically
significant). Both treatment arms showed larger
effects than the reference arm (vitamin D placebo and
omega 3 fatty acid placebo).
米国のプラセボ対照無作為化試験
研究グループは、ビタミンDと海産動物由来の長鎖オメガ3脂肪酸は自己免疫疾患のリスクを低減するかを検証する目的で、2×2ファクトリアルデザインを用いた二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。
本試験には、2011年11月~2014年3月の期間に全米から2万5,871例(50歳以上の男性1万2,786例と55歳以上の女性1万3,085例)が登録され、2017年12月に5年間の介入が終了した。
参加者は、ビタミンD(コレカルシフェロール2,000 IU/日、1万2,927例)またはプラセボ(1万2,944例)、あるいはオメガ3脂肪酸(エイコサペンタエン酸460mgとドコサヘキサエン酸380mgを含む魚油カプセル1g/日、1万2,933例)またはプラセボ(1万2,938例)の補給を受ける群に無作為に割り付けられた。
追跡期間中央値は5.3年で、参加者はこの間に発生した新規の自己免疫疾患をすべて報告し、これらの疾患は医療記録の調査で確定された。
主要エンドポイントは、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、自己免疫性甲状腺疾患、乾癬を含むすべての自己免疫疾患の新規発生とされた。
高度疑い例を加えると、オメガ3脂肪酸群でも有意にリスク低下
全体の平均年齢は67.1歳で、71%が非ヒスパニック系白人、20%が黒人で、9%はその他の人種/民族であった。4,555例(18%)が無作為化の前に1つ以上の自己免疫疾患を有していた。
ビタミンD群(ビタミンD+オメガ3脂肪酸とビタミンD単独)で123例、プラセボ群で155例が自己免疫疾患と確定され、ビタミンD群で自己免疫疾患のリスクが22%有意に低下した(補正後ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.61~0.99、p=0.05)。
また、オメガ3脂肪酸群(ビタミンD+オメガ3脂肪酸とオメガ3脂肪酸単独)で130例、プラセボ群で148例が自己免疫疾患と確定され、オメガ3脂肪酸群でリスクが15%低下したが、両群間に有意な差は認められなかった(補正後HR:0.85、95%CI:0.67~1.08、p=0.19)。
自己免疫疾患の確定例に高度疑い例を加えた解析では、自己免疫疾患の発生はビタミンD群で210例、プラセボ群で247例(補正後HR:0.85、95%CI:0.70~1.02、p=0.09)と有意差はなかったのに対し、オメガ3脂肪酸群は208例と、プラセボ群の249例(0.82、0.68~0.99、p=0.04)に比べリスクが有意に低下した。