常識を欠いた医学

日本医学 巻頭言 昭和13年10月より

医学の正しい発展のためには医学の円満なる常識を滋養しなければならない。又病者が安んじて生命を託し得るのも斯様な常識的な医学である。吾人の日本医学を提唱するや或いは奇異なる医学の感を抱くものがあるかも知れぬ。それは科学的現代医学が一般の医学常識となっているからである。

茲に於いて吾人は我が医学教育に医学概論や医学史が重要視せられんことを望む次第である。医学の常識が円満に滋養されるならば、日本医学こそ最も常識的な医学であることが分かるのである。

医学の歴史を学び、常識的な医学を。

「一見科学的で、実は非科学的医学が幅を利かせているのでは」、と昔の人が言っている。