科学とは何か・・・アラン・セイボリー
以下上記引用
人々はよく、科学とは何かについて話しています。
大学で修士号や博士号を取得した人たちを現場に連れて行くと、彼らは査読済みの論文でなければ文字通り何も信じません。
それが彼らが唯一受け入れるものなのです。
彼らに「観察しよう」「考えよう」「議論しよう」と言っても彼らはやりません。ただ査読済みの論文かどうかだけなんです。
それが彼らが考える科学なのです。
それは哀れなことだと思います。
優秀な若者として大学に入ったのに、彼らは脳死状態で出てきて科学の意味も知らないのです。
彼らは科学とは査読済みの論文のことだと思っているのです。
違います。それは学問です。論文が査読済みになったということはみんなが同じことを考えているということです。
その結果、それを承認したということです。
予期せぬ結果というものは新しい知識や新しい科学的洞察が生まれたときそれは一度も査読されていないのです。
つまり私たちは科学の新たな進歩、大きな進歩をすべて遮っているのです。
科学分野での飛躍的進歩を見てみるとほとんどの場合、その分野の中心部からではなく周辺部からもたらされます。
世界で最もすぐれたろうそく職人は電灯のことなど考えもしませんでした。
進歩というものは内部からではなく、しばしば知識の外から来るのです。
私たちは愚かさのために自分たち自身を殺してしまうでしょう。