非がん性呼吸器疾患の緩和ケア

日本内科学会雑誌 2023年3月号より引用

・内服可能な患者

Currowらは労作時呼吸困難を有する患者(54%がCOPD患者、29%が癌患者、12%が間質性肺疾患患者)を対象にモルヒネの第2相試験を行った。この試験では患者はモルヒネ徐放性製剤10㎎/日づつ、最大30㎎まで増量を行い、呼吸困難VASの変化を評価した。約6割の患者において、ベースラインの呼吸困難から10%以上改善を認め、改善を認めた患者の約7割のモルヒネ使用量は10mg/日であtった。つまり、約4割の患者がモルヒネ10㎎/日で呼吸困難が10%以上改善したことになる。

以上の結果を踏まえると、非がん性呼吸器疾患の呼吸困難にモルヒネを定期投与する際には、10㎎/日前後から開始し、効果がなければ20㎎/日まで増量し、最大量は30㎎/日までとするのが妥当であると考えられる。

ちなみにベンゾジアゼピン系薬は使わない方がよい。送風、も有効とのこと。