亜鉛投与時の血清銅低下には注意を要する

上記より引用

現在、筆者らは、療養型および介護病棟において亜鉛補充療法の臨床試験を行い、感染予防およびじょくそうに対する効果を検討中である。入院時血清亜鉛濃度が30-40㎍/㎗の著明な低亜鉛血症を呈する症例に対して34㎎/日(ポラプレジンク常容量)の亜鉛投与を行うと、1か月に10㎍/㎗づつ血清亜鉛が上昇し、半年で100μgを超えてくる症例がある反面、ほとんど変化の見られない症例がある。このちがいがどこにあるのかは定かではないが、亜鉛の吸収機構ひとつをとってみても、症例ごとに一律でないことがわかる。

また、このような血清亜鉛上昇例のなかには血清銅の著明な低下をみる症例がある。亜鉛投与前には110-120㎍/㎗あった血清銅が半年で20-30㎍/㎗まで低下する症例があり、なかには10μg/㎗以下になるものもある。この血清銅の低下は、亜鉛吸収時における銅との拮抗作用によるもので、ウィルソン病における銅吸収阻害を期待した亜鉛大量投与の根拠をなすものであるが、亜鉛投与時の血清亜鉛低下には注意を要する。

 コメント:要するに、かなり個人差が大きいので”亜鉛&銅”のサプリが無難、ということになる。