セレン過剰症への注意

筑波大学 小児外科 増本 幸二先生(藤本製薬パンフレット 低セレン血症を知っていただくために)より

セレンは必要量と中毒量の幅が比較的狭いため、セレンを投与されている患者では安全性の面から定期的な血性セレン濃度のモニタリングを行い、過剰摂取とならないように注意が必要です。

セレン中毒症に関する中国の疫学調査では、819㎍/日(mcg/日)のセレン経口摂取でセレン中毒は認められず、900㎍/日異常ではセレン中毒の発生が認められたと報告されています※。

セレン中毒症の症状としては、慢性中毒では慢性皮膚炎、脱毛、毛髪の色素脱失、爪の脆弱化や脱落などが高頻度で起こることが報告されており、急性中毒では消化器症状、神経障害、呼吸不全、腎障害などが知られています。

ちなみにサプリメントのセレンは1錠 200mcgです。

 

※日本臨床栄養学会雑誌、40.239-83.2018