2013年11月09日

著名な米国人医師ローレンス・ティアニーがインタビューに答えています。

この文を読み、さすがだなあと思いました。特に、まず自己紹介するというところ。私もこれから初診の患者さんには自己紹介しようとおもいました。

総合診療誌『JIM』(2011年10月号)より 優れた診断医はどう育つか? 

幅広い関心が良医を育む

ティアニー もう一つお話ししたいのは,さまざまなものへ「関心」を持つことです。私はロックコンサートに行ったり,あらゆる文化・習慣,米国の歴史,ポップカルチャーなどに関するたくさんの読書をします。もし,みなさんが私を良医だと思ってくださっているのなら,私はそれらの行為が良い医師を育むのに必要だと思っています。

ところでモーツァルトは,日本でも人気が高い作曲家だと思いますが。

岩田 その通りです。

ティアニー 大学で音楽を学んでいたときに,私はモーツァルトがほかの作曲家のスタイルを取り込みながら多くの作品を完成したことを知りました。実は私もそのアイディアを使ったのです。有効な教育方法を持っている人に接したら,私はそれを自らの個性のなかに取り込みます。「優れた診断医はどう育つか?」との質問の答えにはなっていないかと思いますが,今お話ししていることは,皆さんが想像する以上にその質問に関連していると思います。

多くの文化を知っていれば,人が何を言いたいのか,何を思い出そうとしているのか,または彼らがあなたを信頼しているのかどうかを理解することができるでしょう。あなたが患者から得たことをいかに統合し,診断とどう結びつけるかというときに,これらすべてのことがとても重要になるのです。年月を重ね,貴重な経験を重ね,そして,その後患者をみたときに,あなたはつぶやくことでしょう,「これは前にもみたことがある」「この患者はこの病気に違いない」と。そうした「経験」は,診断にとってきわめて重要です。経験がなければ他人に教える方法を持ち得ないでしょう。良き教育者になりたければ,経験を得なくてはならないのです。

患者を診るとき,最初にすること

ティアニー 例えば,病院で患者を診るとき,私が最初にすることは……,これは日本では見かけませんが,中国,オーストラリア,東ヨーロッパでも見ませんね,私が教えたどの地域でもまれなのですが……,私は患者に自己紹介します。あるいは誰かに紹介してもらいます。

それから患者のベッドサイドに腰掛けて,患者の腕に触れます。私としては自分が患者に関心を抱いているということを表明しているのです。そしていつも同じことを尋ねます。「こんにちは,どちらのご出身ですか。私はアメリカから来ました」。あるいはまた,「これまでどんなことをしてこられましたか」と。すると患者はとても興味深い話を聴かせてくれます。しかし,私の一番の目的は,私が患者に関心を抱いているのだということを知ってもらうことなのです。

一般市民は医師のことをそれほど信頼していないと思います。というのはわれわれ医師は自分たちを特別な存在だと考え,うぬぼれているということを皆知っているからでしょう。ですから,私は自分を患者と同じレベルに置こうと努力します。私はベッドサイドで患者を取り巻いている医学生やレジデントにそのことを自覚してもらいたいのです。それによって彼らも大きく成長すると思います。