ナイアシン欠乏の身体的特徴

上記より

軽いナイアシン欠乏では、舌の先端がうっ血で赤くなるのがふつうで、舌の表面の味蕾は大きくなり、点々がついたような外観になって、イチゴ舌の特徴を呈する。

コメント:イチゴ舌は、一般に溶連菌感染や川崎病で見られる。B12欠乏では舌痛症、味覚異常、赤い舌となる(ハンター舌炎)。赤く平らな舌は鉄欠乏でも見られるという。

 

もっと後の方では、舌がバクテリアの成長と残骸で白く覆われ、しばしばくさい口臭を伴う。欠乏が慢性になると、深い正中線割れ目や裂け目が現れる。やがて舌はすっかり腫れてしまい、歯の縁はぎざぎざになって、ホタテ貝のように見えるようになる。ついには、拡大した味蕾が実質の消失とともに萎縮し、舌の表面はつやのあるはげたような外観を呈するようになる。口は痛くなり、歯茎が腫れていたくなる。

コメント:白い舌も、舌の割れ目のある人も、そう珍しくない。ナイアシンだけの問題ではないのではないか。

 

消化障害も初期のナイアシン欠乏に存在する。胃は塩酸を少しも、あるいはまったく分泌せず、栄養の吸収が損なわれるので、その人はガス過剰になり、便は形を成さず悪臭を放つ。ナイアシン欠乏があるときには、食物を効果的に消化することができないので回復は遅くなる。多量のヨーグルトが、まず第一に有効である。それは、前もって消化しやすいようにされたタンパク質とともに、正常な消化管植物群を回復させる好酸菌を供給し、ナイアシンその他のビタミンB群を作り出すからである。

コメント:胃腸症状にもナイアシン!

もっとひどいナイアシン欠乏では、皮膚炎が露出部に対称的に発生する。最初はわずかに赤くなった皮膚が、むずむずして炎症がひどくなり、やがてぴんと張って膨張したあと萎縮し、色がうすれ褐色になっていく。老年者にしばしばみられるのであるが、皮膚が黒ずんでいくのは、おそらく部分的にはナイアシン欠乏によるものであろう。

 

コメント: 皮膚の黒ずみにナイアシン